スパイスのご紹介(あ)
アサフェティダ
知 識
インド以外ではあまり知られていないスパイスです。
ジャイアントフェンネルとも呼ばれる植物の根茎からとれる樹脂のような物質を乾かしたものです。
ニンニクやドリアンのような強烈な臭いがあります。
料 理
効 能
けいれんを抑える作用があるとされ、昔はヒステリーなどの鎮痛剤としても利用されていました。
インドではお腹の張りや気管支炎の薬にも処方されています。
アジョワン
知 識
分類的にはキャラウェイやクミンと同じせり科の仲間ですが、味は全く異なりどちらかというとタイムに似ています。
インドでは非常によく使われるスパイスです。
料 理
効 能
お腹の張りや消化不良のほか、せん痛、下痢などの腸疾患、または喘息の薬などに使われています。
精油は防腐剤として重宝され、マウスウォッシュや歯磨きにも使われています。
アニス
知 識
アニスはセリ科の一年草で葉茎は明るい緑色、花は白色でそれぞれの小さな花は小花柄についています。
アニスは歴史の古いスパイスの一つで、古代エジプトではミイラの防腐処理のために栽培されました。
イギリスでは13世紀頃からアニスを栽培するようになり、ロンドン橋を利用して運ぶアニスに税金をかけ、
このアニス税は、ロンドン橋の修理費用に使われました。香りや味にほのかな甘みがあります。
この甘い香りはアネトールという成分で、アネトールはリキュールの香づけなどに使用されます。
料 理
効 能
胃もたれ解消、消化を助ける働きがあります。
またインドの一部の地域では口臭予防として食後にアニスシードを口に含む習慣があります。
オールスパイス
知 識
原産地は中南米、主産地はジャマイカ、メキシコ、ハイチ、ホンジュラス、キューバ、グアテマラなどで、
南アメリカ大陸でしか取れない唯一のスパイス。フトモモ科の果実で高さ9メートルの高さになる雌雄別の常緑樹で夏に小さな花をたくさん付ける。
植えてから6~7年で実をつけ始め、100年間も収穫できる。
料 理
ホールは魚介類の煮込み、肉のロースト、ピクルス、スープに。
パウダーは貝のスープやひき肉料理やラム肉料理、ケーキ、クッキーの他、ハム、ソーセージなどの加工品やトマト料理にもよく使われる。
またバニラと相性がよくドーナッツやクッキー、フルーツパイ、フルーツケーキの生地に練りこんで焼き上げるとバニラの香りを強く引き出す。
オールスパイスは単独で使用するより、香味の似ているシナモン、クローブ、ナツメグと併用すると効果的。葉は医薬品や化粧用香料に、花は煎じてお茶として。
胡椒に1~2粒加えるだけで新たな風味になる。ピメントドラムはラム酒をベースにしオールスパイスで味付けされている。
効 能
オイゲノールを多く含みクローブと同様強い抗菌作用がある。効能としては消化を促し、
殺菌、抗菌の作用がある。腸などの消化器系の病気の緩和、神経系統の活性化。
挽いたオールスパイスを少量浴用剤として使用すると、すばらしい香りとともに殺菌作用と神経を鎮める作用がある。
オニオン
知 識
ユリ科ネギ属の植物で、スパイスとなる部分は鱗茎と葉になります。
オニオンは古代エジプトの頃には栽培されていたといわれており、
エジプトの巨大ピラミッド建設に携わる労働者がスタミナ源として食べていた野菜です。
料 理
効 能
ピラミッド建設の労働者がスタミナ源としていたように精力を増す効果もあります。
また発汗作用や、食欲増進なども期待できます。
スパイスのご紹介(か)
カルダモン
知 識
ショウガ科の生草本で実が突くのに4年間かかる。原産地はスリランカ、インド南部。
主な産地は、インド、グアテマラ、スリランカ、パプアニューギニアで最も品質の良いものは、南インドのケーララ州、マラバル地方のものといわれます。
インドでは熱帯山岳地帯の森林に広く自生している。
香りの主成分はシネオールとテルピネオールで精油の40%を占めます。
サフラン、バニラに次いで高価なスパイスで、グリーンカルダモン、ブラウン(ビック)カルダモン、ホワイトカルダモンがあります。
料 理
甘い料理にも辛い料理にもよく合います。
肉類の臭い消し、カレーパウダー、ガラムマサラ、ソースなどに。
エキゾチックな味付けで、インド、中近東の料理に使用されます。
効 能
乳製品のアレルギー症状の中和、身体を温め、呼吸器疾患によいといわれています。
腎臓を元気にします。口腔清涼剤としても使用されます。お腹がはったり、しくしく痛むとき服用。
イライラを抑えます。血糖値をコントロールし糖尿病改善の効果があります。(2009年日本香辛料研究会)
クミン
知 識
原産地は地中海沿岸、エジプトで主な産地はインド、ウクライナ、モロッコ、イランなどです。
せり科の1年生草本です。同じせり科のアニスと同様、最も古くから栽培されてきたスパイスで紀元前16世紀に書かれた医学書「エーベルス・パピルス」にも書かれています。
スパイスとしては種子を使うが、形も使い方もキャラウェイによく似ており、しばしば混同されます。
料 理
カレーの特徴的な香味でカレー粉やチリパウダーの主原料です。
精油はリキュールの香り付け加に使われているので、果樹酒やフルーツケーキにクミンの風味を付け加えと面白いでしょう。
効 能
古代から薬用植物として利用されてきました。
インド医学では興奮剤、健胃薬として使用されてきました。
また軽い消化不良や食欲増進にも効果があります。
コリアンダー
知 識
せり科の1年生草本で原産地は南ヨーロッパ、地中海沿岸、主産地は旧ソ連からヨーロッパにかけてのユーラシア一帯、
グアテマラ、アルゼンチン、メキシコ、アメリカ、カナダ、インド、モロッコ、インドネシア、マレーシア、イスラエル、中国など世界各地で栽培されている。
スパイスとしては種子を用いるが、国によっては葉もよく使われている。
未熟実は南京豆に似た悪臭がありますが、完熟するとアニスの実のような芳香があるので、Koris(南京虫)+annon(アニスの実)というラテン語に由来してこの名があります。
葉や未熟の種子にはカプリアルデヒドという悪臭の成分が含まれていますが、種子が完熟すると悪臭はなく、コリアンドロールと呼ばれる甘い芳香に変化する。
この成分はリナロールの一種であり精油の60%~70%を占めています。
葉や未熟の種子には、カプリアルデヒドという悪臭成分が含まれていますが、種子が完熟すると悪臭はなくなり、コリアンドロールと呼ばれる甘い芳香に変化する。
この成分はリナロールの一種であり精油の60%~70%を占めています。
料 理
葉はシャンツァイ、またはパクチーと呼ばれ、パセリのように料理の飾りに使ったり、スープやおかゆのトッピングに使用します。
種子は肉、卵、豆腐料理に広く使われ、ホールをピクルスやカレーに使ったりパウダーを挽肉やソーセージの臭み消しとして使われます。
効 能
胃もたれ解消、消化を助ける働きがあります。
消化液の分泌をよくするため食欲増進、膨満感の解消の他、健胃、解毒、抗菌、睡眠作用等に効能があります。
クローブ
知 識
クローブの花蕾は釘に似た形をしているためフランス語で釘を意味するClou と呼ばれ、英語の Clove もこれを語源とします。
インドネシアのマルク諸島原産の常緑低木で、蕾を乾燥させたものを利用します。
料 理
どんな味の料理にも合い、アメリカでは焼いたハムの回りに添えたりドイツでパンの生地に加えて焼いたりします。
カレーにも使われます。またカルダモンなどと合わせて、チャイなどにも使用します。
効 能
クローブには強い鎮痛効果と抗菌効果があり、歯痛や歯肉炎を鎮めてくれます。
ガーリック
知 識
ガーリックはユリ科の植物で、初夏になると薄紫色を帯びた白い花をつけます。
ガーリックはオニオンと同じく古代エジプトから用いられていた記録があり、巨大ピラミッド建設の労働者にスタミナ源として食べられていました。
料 理
効 能
菌類を減少させる作用があるため、菌類による感染症予防の効果が期待できます。
また、食欲増進、疲労回復などの効果があります。
カシア
知 識
カシアはクスノキ科の植物で葉は大きく光沢があり、カシアの葉は「インディアン・ベイリーフ」などと呼ばれ流通しています。
今から6000年ほど前の文献にカシアに関する記録があり、歴史の古いスパイスの一つです。
日本では「カシア」という品名でスパイスが売られていない場合が多く、「シナモン」と同様の扱いで流通していますが、実際は異なる品種です。
料 理
効 能
吐き気の緩和、下痢、強壮剤などとして用いられています。
ガランガル
知 識
大別して小ガランガルと大ガランガルの2種類があります。ショウガ科の植物で小ガランガルは中国南部原産、大ガランガルはインドネシア原産です。
現在では、東南アジアで使用されています。マレーシアやインドネシアでは、カレーに使われ、タイではトムヤムクンなどにも使用されています。
料 理
効 能
東洋医学では鼻やのどなどの粘膜の炎症や呼吸疾患などの薬に処方されています。
キャラウェイ
知 識
セリ科の植物で、古代から使われ、ヨーロッパでは中世から栽培されていました。
やわらかな味とほのかに苦い甘味があります。フルーツや野菜と一緒に使うとレモンのような味が出ます。
料 理
効 能
お腹の張りや腹痛、気管支炎に効くといわれています。
また、精油はうがいや口の洗浄用に、また香水や石鹸にも使われています。
スパイスのご紹介(さ)
サフラン
知 識
最も高価なスパイスです。利用するのは、干した糸状の雌しべで、2万本集めてやっと125gにしかならない小さなものです。
原産地はスペイン、ギリシャ、フランス、トルコ、イラン、モロッコやインドのカシミール地方などです。スペインのラ・マンチャのものが最上とされています。
昔から高値で取引されていた為、取引の際、混ぜ物をしたりした者には、死刑をも含む極刑が課せられたほどです。
料 理
昔はソースやスープ、等によく使われていました。
今ではブイヤベース、サルスエラ(スペイン版ブイヤベース)、リゾット、パエリアなど魚料理、米料理によく使用されています。
効 能
インドでは利尿剤のほか、消化器官の疾患に利用されています。ビタミンB2(リボフラビン)多く含んでいます。
シナモン
知 識
シナモンはスリランカ原産のクスノキ科の木の樹皮を乾燥させたもの。
最大原産国はスリランカで、ほかにもインドやブラジル、インドネシア、西インド諸島、インド洋の島々でも生産されています。
スリランカのシナモンが最上とされています。
料 理
甘い料理にも辛い料理にも向いています。羊肉を使う料理に特に合います。
また、シナモントーストはもちろんチョコレートからケーキ、飲み物などいろんなものに合います。
効 能
最近の研究によると、血糖値の上昇を抑え糖尿病の改善や、中性脂肪の低下が期待されるといわれています。
ジンジャー
知 識
ジンジャーはショウガ科の植物で、夏期に白い花をつけます。
ジンジャーは歴史の古いスパイスの一つで、紀元前5世紀頃の書物にジンジャーに関する記録が残されています。
料 理
効 能
ジンジャーの辛み成分「ショウガオール」と芳香成分「ジンゲロン」は血行を良くする効果や体を温める効果があるため、
ショウガ湯やショウガスープを飲むことで風邪の症状が和らぎます。そのほか健胃効果、発汗作用、解毒、食欲増進などが期待できます。
スパイスのご紹介(た)
ターメリック
知 識
ショウガ科の植物で塊茎を利用し、麝香のような香りと美しい金色が好まれ、南アジアで広く使われています。食用および染料としても使われます。
料 理
昔はソースやスープ、等によく使われていました。
カレーに欠かせないスパイスで、カレーの黄色はターメリックの色です。
効 能
アジアでは、強壮剤や肝臓の治療に使われます。また、軟膏に混ぜて皮膚の疾患に使うこともあります。
ディル
知 識
ディルという名前は、「なだめる」という意味の古代バイキング語、ディラに由来しています。
その名の通り神経を落ち着かせ、また消化器系の機能を助ける働きがあり昔から西洋では赤ちゃんの腹痛やしゃっくりを止めるのに使われてきました。
料 理
ピクルスなどにしようされる。
効 能
消化器系の働きを助けるほか、母乳がよく出るためにも使われます。
スパイスのご紹介(な)
ナツメグ
知 識
ニクズクは、ナツメグとメースの2種類のスパイスが取れる。
ナツメグは種の中の核の部分で、メースは種の回りのレース状の仮種皮と呼ばれる部分です。
メースとナツメグは香りも味も似ていますがメースの方が上品な味わいがあります。
ナツメグは甘く、メースは少々苦味があります。
料 理
肉料理からフルーツケーキなど幅広く使用されます。
効 能
西洋よりも東洋でよく使われます。気管支炎やリューマチ、お腹の張りなどの薬に処方されています。
ニゲラ
知 識
クロタネソウの仲間で、スパイスとして使用するほか、美しい花と羽根のような軽い葉を楽しむため観賞用として栽培もされています。
英語でラブ・イン・ア・ミスト(霧の中の恋)というロマンティックな名がついています。
料 理
インドでは煎って香りを立たせ、野菜や豆料理に使います。
効 能
虫よけになるとも言われています。
スパイスのご紹介(は)
フェヌグリーク
知 識
古代から料理のほか薬用のハーブとしても人気のあったスパイスです。
マメ科の植物でタンパク質やビタミン、ミネラルに富んでいるので、ベジタリアンの人たちにも最適といえるでしょう。
料 理
インドではほかのスパイスと混ぜていろんな料理やピクルスなどに使用します。香りは良いが、使用しすぎると苦味が強い。
効 能
性ホルモンを合成するのに使用されたり、避妊ピルの成分でもあるダイオスゲニンの重要な植物源となっています。
スパイスのご紹介(ま)
メース
知 識
熱帯性の常緑高木。東南アジア、オーストラリアに自生。種子からナツメグとメースと2種類のスパイスが取れる。
ナツメグは種の中の核の部分で、メースは種の回りにレース状の仮種皮と呼ばれる部分です。
料 理
いろんな料理に使用されます。日本でもハンバーグなど、肉料理によく使用されます。
効 能
消化不良、下痢止めなどに使用されます。